交通事件

交通事故被害に遭った方へ

突然の交通事故。怪我の痛みや車の損傷、そして相手方や保険会社とのやり取りなど、事故に遭った後は心身ともに大きな負担がかかります。不安な気持ちを抱えながら、どうすればいいのか分からない方も多いのではないでしょうか。

このページでは、交通事故に遭った被害者の方々が、適切に損害を回復し、新たな生活へと踏み出すためのサポートをすることを目的としています。交通事故の解決までの流れや、ご自身で対応する際の注意点、そして弁護士に相談するメリットなどについて解説します。

交通事故解決の流れ

交通事故が発生してから解決に至るまでには、いくつかのステップがあります。全体の流れを把握することで、見通しを立てやすくなります。

  1. 事故発生・警察への届出

事故が起きたら、まずは警察に連絡し、現場検証をしてもらいましょう。警察への届出は、後の保険金請求や損害賠償請求に必要となる「交通事故証明書」を発行してもらうために不可欠です。

  1. 病院での診察・治療

痛みや違和感がある場合は、必ず病院を受診してください。たとえ軽傷だと思っても、後から症状が現れることがあります。事故との因果関係を証明するため、病院では「交通事故で怪我をした」ことを明確に伝えましょう。

  1. 保険会社との交渉開始

相手方やご自身の保険会社と連絡を取り、示談交渉が始まります。この段階で、治療費の支払い方法や、過失割合、損害賠償額などについて話し合いが行われます。

  1. 示談成立・示談金支払い

交渉がまとまれば、示談書を取り交わし、示談金が支払われます。この示談書には、「示談が成立した後は、原則として追加の請求は行わない」という内容が含まれているため、署名・捺印には慎重な判断が必要です。

  1. 示談交渉決裂の場合

保険会社との交渉がまとまらない場合は、調停や裁判などの法的手続きに進むことになります。

交通事故被害に遭ったら

「事故に遭って頭が真っ白」という状況でも、冷静に以下の行動を心がけることが大切です。

  1. 二次被害の防止

まずは安全な場所に車を移動させ、発炎筒やハザードランプなどで後続車に事故を知らせましょう。

  1. 負傷者の救護と警察への届出

怪我人がいる場合は、すぐに救急車を呼び、救護活動を行います。その後、警察に必ず届出をしてください。

  1. 証拠の確保
    • 相手方の情報確認: 氏名、住所、連絡先、車のナンバー、加入している保険会社を確認します。
    • 目撃者の確保: もし目撃者がいれば、氏名と連絡先を聞いておきましょう。
    • 写真撮影: 事故現場全体、車の損傷個所、路面の状況などを様々な角度から撮影しておきます。
  2. 病院での診察

軽い怪我でも必ず病院に行き、医師の診断を受けましょう。特に、むち打ち症などは後から症状が出るケースが多いため、自己判断は禁物です。

賠償金額決定の基準にご注意ください

交通事故の損害賠償額を算定する基準には、以下の3つがあります。

  • 自賠責保険基準:

自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)が定める最低限の基準で、自賠責保険から支払われる金額の基準となります。

  • 任意保険基準:

各保険会社が独自に定める基準で、自賠責保険基準よりは高額ですが、後述の裁判基準よりは低いのが一般的です。

  • 裁判基準(弁護士基準):

過去の裁判例に基づいて算定される基準で、もっとも高額になります。弁護士が示談交渉を行う際に、この基準を用いて請求するのが一般的です。

多くの場合、保険会社は自社の基準(任意保険基準)や自賠責保険基準で賠償額を提示してきます。しかし、被害者の方が本来受け取れるはずの適正な賠償額(裁判基準)より、大幅に低い金額であることが少なくありません。提示された金額が妥当かどうか判断するためには、専門的な知識が必要です。

保険会社からの治療打ち切り通告への対応方法

「もう治療の必要はないですよね?」「そろそろ治療を打ち切ってほしい」

治療費を支払っていた保険会社から、このように打診されることがあります。しかし、まだ治療が必要な状況にもかかわらず、保険会社の都合で治療を打ち切るよう促されるケースも少なくありません。

保険会社から治療費の支払いを打ち切られても、治療を継続することは可能です。 その場合、一時的にご自身で治療費を立て替えるか、健康保険を利用して治療を継続することになります。

もし、まだ治療が必要だと感じている場合は、まず医師に相談し、治療継続の必要性を確認してもらいましょう。医師が「まだ治療が必要」と判断した場合は、その旨を保険会社に伝えることが重要です。

安易に保険会社の提案に応じてしまうと、適切な治療を受けられなくなり、後遺症が残るリスクを高めるだけでなく、その後の示談交渉において不利な状況に陥る可能性があります。

保険会社の対応に不満がある方へ

「連絡がなかなか取れない」「提示された賠償額が少なすぎる」「過失割合に納得がいかない」

保険会社とのやり取りの中で、不満や疑問を感じることは珍しくありません。しかし、保険会社の担当者は、被害者の味方というよりは、会社側の利益を守るために対応していることを理解しておく必要があります。

専門的な知識を持たない被害者の方が、保険会社の主張に対抗するのは非常に困難です。疑問や不満を抱えながら、一人で交渉を進めていくのは精神的にも大きな負担となります。

交通事故を弁護士に依頼するメリット

ここまで見てきたように、交通事故の示談交渉は非常に複雑で、専門的な知識が不可欠です。ご自身で対応することに不安を感じたら、すぐに弁護士に相談することをお勧めします。

弁護士に依頼するメリットは以下の通りです。

  1. 適正な賠償額(裁判基準)を獲得できる可能性が高まる

保険会社は、弁護士が介入すると、交渉相手を対等な専門家と認識し、裁判基準を前提とした交渉に応じるケースが増えます。その結果、被害者の方が本来受け取るべき、適正な賠償額を獲得できる可能性が高まります。

  1. 煩雑な手続きや交渉をすべて任せられる

相手方や保険会社とのやり取り、必要書類の収集、示談交渉など、精神的にも時間的にも負担の大きい手続きをすべて弁護士が代行します。被害者の方は、治療に専念できるだけでなく、日常生活を立て直すことに集中できます。

  1. 治療の継続をサポートできる

治療費の打ち切りを通告されても、弁護士が介入することで、治療の必要性を客観的に示し、交渉を進めることができます。

  1. 納得のいく過失割合を主張できる

保険会社が提示した過失割合に納得がいかない場合でも、事故状況を法的な観点から分析し、被害者にとって有利な過失割合を主張・立証します。

  1. 後遺障害認定のサポート

後遺症が残ってしまった場合、適切な「後遺障害等級」の認定を受けることが、適正な賠償額の獲得には不可欠です。弁護士は、後遺障害認定のための手続きをサポートし、適切な等級が認定されるよう尽力します。

最後に

交通事故に遭ってしまった後、多くの被害者の方は、身体的な痛みだけでなく、精神的なストレスや経済的な不安に直面します。

ながの法律事務所は、交通事故の被害に遭われた方々の苦痛を少しでも和らげ、適切な賠償を受け取っていただくことを使命と考えています。一人で抱え込まずに、まずは一度、お気軽にご相談ください。あなたの再出発を、私たちが全力でサポートします。